こんにちは、現役子供英会話講師で2児の母のハスミ(@hasumi.english)です。
あなたのクラスの生徒さんは、みんな同じ英語レベルでしょうか。
年齢や英語学習歴などを考慮して、できるだけ同じくらいの英語力の生徒が集まるようなクラス編成をされている英会話スクールが多いと思います。
・・・が、中には生徒の英語力に結構差があるクラスもありますよね。
レッスンの内容を初心者の子に合わせると上級者の子は簡単すぎて全く面白くないし、上級者の子に合わせると初心者の子は全然ついてこれずこれまた面白くない、と感じてしまいます。
どうしたらいいんだ~・・・!
と感じたら、ぜひ今からご紹介する方法を試してみてください!
今回は、生徒間で英語力に差があるクラスでも、レッスンを上手く進めるコツをまとめました。
この記事を書いている人
◆大手英会話スクール子供英会話講師
◆小学校英語指導者+(プラス)資格有
◆5歳息子と3歳娘の年子兄妹ママ
生徒の英語力に差がある時のクラスコントロールのコツ
私は過去に、英語力に差がある小学2年生4人組のクラスを担当したことがあります。
そのクラスの生徒たちの当時の英語力はこのような感じでした↓
英語力が高い順に、
- Aちゃん…英検5級取得済(つまり文字が読めるレベル)
- Bくん…英検Jr.シルバー90%取得済(まもなく英検に挑戦するレベル)
- Cちゃん…英検Jr.ブロンズ90%取得済(今からシルバーに向けて頑張るレベル)
- Dくん…初心者(アルファベットの大文字はわかるレベル)
AちゃんとDくんの英語力にはかなりの差がある状態でした。
レッスンをAちゃんレベルに合わせるとDくんは全く理解できない、Dくんに合わせるとAちゃんは「今さらそんなことやるの?」で全然面白くない・・・
このようなレベル差がある場合でも、全員を楽しくしっかりと学ばせるクラスコントロールのコツをご紹介します!
クラスコントロールのコツ①上級者は端、初心者は真ん中に座らせる
「好きな席に座って良いよ~」と言いたいところですが、レベル差があるクラスの場合は講師が生徒の席を決めてしまいましょう。
この時のポイントは、英語力の高い生徒を端に座らせ、初心者の生徒を内側に座らせるということです。
先程の4人組の例で言うと、こんな感じで座ってもらいました↓
Aちゃん⇔Bくん(英語力高い同士)、Cちゃん⇔Dくん(英語力低い同士)の席を入れ替えることはあっても、たとえばAちゃん⇔Dくん(英語力の高い生徒と低い生徒)を入れ替えることはしません。
この座り方をさせるのは、なぜだかわかりますか?
それには3つの理由があります↓
1、英語力の高いA・Bに、自然とC・Dのお手本になってもらうため
レッスンを進める過程において、全員でリピートさせたり答えさせたりする時は特に問題ありません。
・・・が、個々で発話してもらう時は、ABは答えられるけどCDは答えられない、という場面がよく出てきます。
そんな時に上級者がそれぞれ両端にいてくれると、右側から順に当てても、左側から順に当てても、CDにとって1回は必ずお手本を聞くことができます。
- A → D → C → B だと、Aがお手本になる!
- B → C → D → A だと、Bがお手本になる!
AやBが1番に毎回答えてくれるので「こういう風に答えれば良いんだな」と、CとDは理解することができ、初心者にもより多くの発話を促すことができるのです。
2、上級者は1番に答えたがるため
やはり、自分がわかることは人間1番に答えたくなるものですよね。
しかも子供は素直なので、1番に答えたい!という気持ちの表れが顕著です。
英語力が高くなるにつれ、わかることも増えるのでたくさん答えたくなります。
つまり、常に1番に答えられる可能性がある端っこの席にAとBに座ってもらうのです。
・・・と言うと、ここでこのように疑問に思われる方がいると思います↓
そう、そう思いますよね!
これは実際に生徒の前に立って何回かレッスンをしてみるとわかるのですが、席順関係なく毎回ABの2人を個別に当ててからCDへ…という流れが続くと、子供ってやっぱり感じ取るんですよ。
後回しにされてる感というか、上級者を「ひいき」してる感というか・・・。
大人でも嫌だなって思いませんか?
たとえばセミナーを受けに行って、セミナー講師が同じ人ばかりを1番に当ててたら、なんか腹立ちません?またはテンション下がりません?(笑)
でも、席順を決めてしまえば「そういう順番だから」で納得するんですよ。
これだと後回しにされてる感じもありませんし、ひいきと思われることもありません。
上級者は順番が1番ということで挑戦することができますし、初心者にとっては「自然と」上級者がお手本になってくれます。
3、初心者は端っこだとレッスンに参加しづらい
3つ目の理由として、初心者が端っこの席だった場合、シンプルにレッスンに参加しづらいからです。
積極的でたくさん発話する上級者が真ん中にいると、講師の視界の端にいる初心者たちの存在が薄くなってきてしまいます。
端の席はただでさえ講師との距離が遠いのに、さらに初心者ということも相まってレッスンに積極的に参加しにくい、というのは間違いありません。
上級者は遠くの席からでもしっかりレッスンに参加することができますし、むしろ両サイドから盛り上げてくれるとクラスに一体感が生まれます。
クラスコントロールのコツ②上級者と初心者をペアにする
レッスン内で、ペアワークやチーム対決をすることがありますよね。
上級者は上級者と、初心者は初心者と、同じ英語力同士でペアを組む方が一見良さそうに思えます。
しかし、上級者同士は特に問題ありませんが、初心者同士はお互いがわからなかったり時間がかかりすぎたりしてしまうことがあります。
なので、上級者と初心者をペア、または一緒のチームにしましょう。
こうすると、上級者が自然と初心者をリードしてくれます。
初心者はペアの相手に教えてもらうことができますし、講師がペアワークにガッツリ介入より子供同士でやり取りした方が面白そうです。
そして、上級者は人に教えることによってさらに力を付けることができます!
すらすら英文を答えられるレベルの子でも「先生、○○ってこういうこと?合ってるよね?」と私に英文の意味やゲームルールの確認をしに来る時もたまにあります。
相手に教えることができて初めて理解していると言えるので、上級者と初心者を組ませるメリットは生徒たちにもそれぞれあるのです。
クラスコントロールのコツ③上級者と初心者のゴールを一緒にしない
同じレッスンを受けるからと言って、その日のレッスンのゴール(達成目標)もクラス全員一緒でないとダメということは決してありません。
初心者のゴールが上級者と一緒だなんて、はっきり言って無理です・・・。
「そりゃそう!」と思うでしょうが、講師歴がまだ浅い方は無意識に同じゴールを設定してしまいがちだったりします。
たとえば、その日のゴールがこのような肯定文・否定文・疑問文を全て作れるようになることだった場合↓
I go to school three times a week.
I don’t go to school everyday.
Do you go to school everyday?
初心者には難しすぎ!ですよね?
でもこれ全てをきちんと教えなきゃ!と思って上級者に対する教え方と同じように進めてしまう講師の方もいます。
そう!
初心者に全てを教え込もうとすると、生徒はただリピートするだけで結局何の学びもなく終了…という質の低いレッスンになってしまう可能性があります。
上級者にはもちろん、単語を入れ替えながらこの3パターンの文章が言えるようになる、というゴールでOKです。
では初心者はというと、生徒の飲み込みの早さにもよりますが、以下のようなことが講師の補助なしでできたらOKと事前にいくつか決めておきます↓
- 「I go to school.」のschoolの部分を変えながら言えればOK
- 肯定文だけでも作ることができればOK
①がもし余裕そうであれば②のレベルまで生徒に求めてみる、という感じです。
②より上の否定文や疑問文に関しては、上級者には求めますが初心者はリピートできればOKなどと私はしています。
とにかく最低でも①までは自力でできるように・・・と少し多めに練習時間を取ったりして、ゴール達成に力を注ぐようなやり方で進めます。
広い範囲を薄く学習してもほとんど記憶に残らないので、狭い範囲で集中的に学習してもらうという感じですね。
こうすることで、覚えた単語を次回のレッスンでもしっかり活用することができたりと、着実に力をつけさせてあげることができます。
しかしながら、子供英会話講師になりたての頃はレッスンをやりきることで精一杯だと思うので、このコツはある程度の慣れと経験が必要だと思います><
生徒のことを見る余裕ができてきたら、ぜひ個別にゴールを設定してあげてくださいね!
まとめ:上級者にはお手本になってもらい初心者が発話しやすい雰囲気を
以上、生徒間で英語力に差がある時のクラスコントロールのコツを3つご紹介しました。
レベル差があるクラスのレッスンの進め方については、とにかく上級者にお手本になってもらう、というのが1番スムーズにレッスンを進められる方法です。
もう一度、クラスコントロールのコツをまとめておきますね↓
- 上級者は端、初心者は真ん中に座らせる
- 上級者と初心者をペアにする
- 上級者と初心者のゴールを一緒にしない
最後にお伝えしておきたいのは、私はこの方法でレッスンがやりやすくなったと感じることが多かったですが、もちろんこれらが全生徒に有効というわけではない!ということです。
マニュアルがあってもマニュアル通りに進むことなんてほぼないですし、この仕事は本当に「臨機応変さ」が求められます。
それでも、席を変えるだけで解決することもあったり、講師が意識するだけで改善されることは多々あります。
だから、私の経験が悩んでいる講師の方々のヒントに少しでもなれば嬉しいな、と思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。